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株価チャート分析読本
このページは、西神戸マイコンの株価分析システムをご理解いただくために株式投資とコンピューターチャート分析について解説していますが、投資を勧誘したりするものではありません。
株式投資は必要か
日本の土地の時価総額でアメリカ全土を買うことができる・・・
そんな時代がありました。
これはおかしいと言いながら、土地の価格を基準に、株価が上がり、私たちを含めてその活力に惑わされたのも間違いのない事実です。
ある青年実業家は、一人二人と従業員が増え、資産運用に東京の1ルームマンションを購入しました。
マンションはすぐに2倍に跳ね上がり、次のマンション購入の担保に十分となりました。
値上がりをする資産に気をよくして、海外物件やホテルへの投資と次第に規模を拡大していきましたが・・・
海外資産の無価値になってしまったホテルは廃業へ、国内の1ルームマンションは値下がりで担保価値の低下、追加資金の請求、そして自己破産。
本業は順調にも関わらず、元の木阿弥というのは残念でしょう。
・株式投資でも資産を減らした人がいます。
ある資産家で投資経験も多い方でしたが、80年代の株価の上昇で資産がどんどん増えると株式投資で生活が出来ると考えてしまったようです。
複数の証券会社で信用取引の口座を持ち、自分の「感」と「判断」で相場を張り続けました。
しかし特に仕手株に傾倒することもなく、ご自分では機関投資家のミニチュア、日経平均が自分の資産とまで豪語し、推測で数十億円まで資産を増やしたようです。
特に1年で資産が70%増加した年もあり、あと余生は左うちわと話されていました。
当初の株価の下落時には冷静に見ていたのですが、資産が減る事態に及んで減った分を取り戻そうとした投資が深みにはまりました。
多くの損を取り戻すには、多くの投資が必要で、思惑が外れた場合の損失はより多くの投資でないと取り戻せない。
僅か2年で、資産を全て現金化しないと穴埋めが出来なくなりました。
・ある人を紹介しましょう。
真面目なご商売人ですが、株式投資には丹念な分析が必要という方です。
20才代で100万円で始めた投資を多少の紆余曲折があっても500万円から1000万円規模で投資を続けていらっしゃいました。
確かに一時は株式の資産だけで3000万円近くになったようですが、自宅の建設資金などが必要になり、概ね1000万円前後の投資資金をキープしていたようです。
少し利益が出れば、定期預金や金銭信託へ回すというスタンスは堅持されていました。
たとえば1995年から97年に掛けては、次のような投資をされています。
・資金を金に換えた社長
中部地方に在住のある社長は、株式などの試算が10億円を越えた1991年今後の市場の不安を感じほとんどの資産を「金」に換えたようです。
戦前の資産で戦後有効に使えたのが「金」であったという経験を元にした、確信をもった変更でした。
確かに金の量が減ることはなく、現在も持ち続けていると言うことですが、資産価値は半減してしまいました。
4人の方々ともに皆さん真面目に資産運用を考えていられましたし、株式投資を肯定されていたのも共通します。
しかし4人の内コンピューターチャート分析を活用していたのは、3人目の方だけでした。
もしあえて3人目の方以外を株式投資で失敗したと考えれば、他の方々は株式投資の尺度を持たないことに大きな問題があると言えるでしょう。
尺度とは何でしょう
株式投資には何が必要か10年前には株式市場で「株は必ず上がる」といっても誰も異論をはさみませんでした。
事実右肩上がりの典型的なパターンが続き、1987年の急落も1年で完全な復調となりました。
日経平均は、3万円を越えても上昇し、4万円に手が届く頃には7万円説が大手を振ってまかり通っていたのです。
高値で株を取得した人たちもですら、その直後の株価の下落局面では、「売らずに、時期を待つ」ことが最終的な利益を保証してくれると信じていたのです。
株価の下落も1年をすぎると、多くの投資家が本当の「不安」を感じ、その不安は的中し株価は一段と下げ足を早めました。
誰もが確かな尺度を持たないために、大きなうねりに呑まれてしまったと言えるでしょう。
人は株価が「下がった」と言います、しかし本当は「上がったから」下がったのです。
もともと50円額面の株なら50円の値打ちでスタートした株券が、企業努力でその内部
価値を高めていきます。
最初に自分で株式会社を設立すれば、容易に理解できます。
利益を重ね、資産を増やし規模が拡大し、将来性が増せば株式の値打ちはどんどん上昇します。
しかし法人税などを払いながら、会社に利益を蓄積していくのは、簡単なことではありません。
好不況があり、栄枯盛衰があります。
過去の株価の歴史をみても、日本経済の成長に合わせて全体としての日経平均なり時価総額などが継続的に大きくなっていく局面はありましたが、株価は常に波打ちます。
この時「上がり過ぎ」の現象が必ず起こります。
この動きの是正のために株価は「下がり」ます。
企業活動が成長期なら、下がってもすぐにより上がる現象が出ますが、何れにしても株式投資は下がった時点で行うと効率がよく安全であることに異論をはさむ人はいないでしょう。
ただ株価は底値圏では穏やかな動きをするために、また不安要因も多いため投資を実行しにくいという事も事実です。
もし「下がった」あるいは「下がり過ぎ」の現象をとらえることが出来れば・・・
そのための定規つまり尺度を提供するのが、コンピュータ株価分析です。
単純で高度な計算を瞬時で行うが故に、コンピュータは私たちに貴重な投資判断情報を提供できる有益で唯一の道具だといえます。
具体的なコンピュータチャート分析を見てみましょう。
6792ビクター
1996年末から97年初頭にAI値だ150前後の値が出ています。
環境としては投資検討が難しいとは言え、6ヶ月ほど前に多くの投資家が1500円前後で希望と共に投資を実行したことを考えれば、AIチャートの客観性と先見性が理解できるはずです。
1997年6月には、AI値は急上昇し売却の検討を促し、8月には当初の上値予想値への接近と共に、株価は天井を付けます。
しかし投資家は、特に97年1月には目もくれなかった投資家がこの6月から8月に多く参入してきたことは、出来高を見るだけで簡単に理解できます。優良株といえどもいつまでも優良株ではありません株価の上昇は新たな株価の下落をもたらします。決して高値で買った投資家は悪いわけではありませんが、「利益を上げられない投資家」はたくさん存在します。
再生産の出来ない土地は無限に上昇する
だから担保にはもっていこいであり、銀行や金融機関は現在もなお担保価値に注目します。
不動産と株式、確かに共通点があり、資産を突き詰めればこれに突き当たります。
低金利の時代に株式市場はどう機能したか?
低金利の時代には
一流銀行のアメリカ法人で国債などの債権を扱うトレーダーが、莫大な損失を10年にわたって隠し続け、とうとう破綻をきたしたという事件がありました。
あるテレビ番組でその人物の獄中インタビューがありました。
鉄格子のない刑務所で2年を過ごした彼は、過去を振り返って「最初は5万ドルだった」と語ったのでした。
5万ドルつまり約500万円の損失を取り返すために始めた取引がどんどん雪だるま式にふくれ億を越えていく・・・・・
まるでテレビドラマの様な筋書きですが、現実です。
もしあなたが株式投資で損をしたとき、あるいは今後そんな局面に出くわしたときに、「冷静さを保てるか」を考えてみてください。
当の本人は悪びれた表情でもなく、普通に見えますが、人の心理は追いつめられた状態ではどうしても冷静さを欠いてしまいます。
小さな罠はどこにでもあります。
1997年3月にこんな詐欺のあった人がいます。
「電力株で一儲け」と営業マンに騙されたようです。
営業マンは免職となり、責任の所在を裁判で争っているようですが、手口はこんな風になっています。
電力株は公共事業であり、独占事業ですからその安定性を疑う者はいません。
500円額面で1割の配当、つまり1000株で5万円(税引き前)の配当がほぼ確実に約束されています。
1000株を購入するのに、仮に2000円の株価として200万円が必要ですが、利回りは2%を越えます。
通常の定期預金が1%を割っていることを考えれば、インカムゲインつまり配当を期待して投資のできる銘柄となります。
1つ抜け道があります、配当は3/31現在の株主に渡されますので、4日程前の権利落ち日に買っておけば例え2週間の株主であっても配当ば手に入るという事になります。
年率2%の配当(中間配当がありますので2分の1)を2週間で手に入れれば、効率がとても良いような錯覚に陥ります。
配当がもらえるのも事実ですが、前提条件があります。
それは株価は変わらないという前提です。
同じ株価であれば、配当のもらい得となるのですが、株を売った人と買った人に差がでないよう権利落ち日には通常配当分程度の株価の下落があります。
確かにすぐに株価が復元する場合が多く、この営業マンもその事を力説したようです。
株価が一定として、配当分が本当に利益になるのでしょうか?
たくさんの株式を買って、売却すれば大きな利益が残ると考え、1千万円以上の資金を投じたというのですが、株価は一進一退を続け、結局損失が残りました。
一つには信用取引を使って資金の何倍かの株式投資を実行したことと、「確実」という言葉に隠れて実際の手数料が掛かることを過小評価したのでしょう。
同値での売買は明らかに投資家の損となります。
仮に投資がうまくいっても、1000万円の資金で数百万円の損失の可能性がある状態での数十万円の利益は、やはり妥当とは言い難いものです。
あえていうなら、株式投資に対して「自分の時計」を持っていない場合に「うまい話」に乗せられてしまうと言えるでしょう。
チャート分析を使って、ここ数年続いている低金利時代の株式投資を実戦して見ましょう。
8802三菱地所
ファンダメンタルズつまり経済環境や企業の問題を直視すれば、投資に好機なのは順風満帆な時期でしか投資検討はできないものです。
しかし株式市場の評価は常に先行し、投資の成果をあげることができるのは、僅かなタイミングです。
三菱地所の場合も、2年間に1度しか最適な投資タイミングはありません。
1997年1月のAI値で148、下値予想値に接近したこの時期です。
その後の株価の動きは、1800円へ向かう動きとなり、投資の成果は十分ですが、この過程での株式の再評価は、97年11月に1200円を割り込む形で投資タイミングと同様に売却の検討と実行が必要であることを証明しています。
株価上昇のメカニズム
ある靴のセールスマンが、未開の奥地に入って裸足のまま生活している姿を見て、本社にこう打電しました。
「ここでは商売が出来ない、だって誰も靴を履いていないのだから・・・」
別のセールスマンは同じ所に入って、こう言ったそうです。
「ここではどんどん靴の商売が出来そうだ、だって誰もまだ靴を履いていないのだから・・・」
これは良く物の見方には別の角度があることの例えに使われます。
少し意地悪にこの例を見てみましょう。
誰も靴を履いていない文化の地に靴の商売を定着させるのは大変なことです。
実際の啓蒙活動や試す機会などを作っていくのは、10年単位の年月が必要であり、1企業が商売を行うにはやはり難しいと言えるのではないでしょうか。
株式投資にも同じ事が言えます。
「未来の技術」といった材料があれば株価は上昇しますが、10年後の技術を評価して10年間株価が上がり続けることはありません。
たとえば「NTTの将来性」は上場時点も現在も評価できるものがありますが、株価は別の尺度で動いています。
いくら情報産業の根幹だと力説しても、世界最大規模だと解説しても、株価はあがりません。
「将来性」は株価上昇のキーワードですが、実際は市場の投資家心理が、株価決定の本当の「キー」つまり「鍵」を握っています。
投資家心理は先読みをしようとします。
たとえば1995年、阪神大震災が発生した時点では、日本の投資家は基本的には「どうなるのだろう」と考えました。
海外の機関投資家は、ここで状況の先読みをしました。
「普通なら天災で損失が多いが、日本の一部で発生した損害はその復興需要が契機となって経済活動にプラスとなる」と判断したようです。
しかし実際には、株価は一進一退の中、一部の建設関連株の上昇と下落によって、やはり下げに動きました。
読みは外れディーラーは多大な損失を計上し、ニュースとなってしまいました。
これは先読みに失敗した例です。
逆に株価の下落を予測すれば、利益を得られたことになりますが、実際はそう甘くはありません。
つまり株価の行方の短期的予測は「博打」にしかならないのです。
「将来性」で短期的株価の上昇を期待するのも一種の「集団的博打」となり、結局誰かが損をしないと終わらないのです。
最後に高値で買った人の資金で儲けを作ったことになるのです。
ではどうして「株価の先読み」をすれば良いのでしょう。
株価の上昇期よりも簡単に確実に底値圏で「人気の離散」つまり先読みによる株価の下落が起こります。
株価は池の噴水と同様で、次々にあふれ出る「水」つまり投資家の買い行動がないと市場で株価を維持できないのです。
もちろん噴水が高く上がっているときは華やかで、それこそ将来性の宝庫の様に見えますが、池の全容はこの噴水のために見えないのです。
底値圏では、この「水」が減少し、確実に企業の価値を判断しようとする動きだけがつかめる状態となります。
つまり企業の価値がはっきり見える状態となるのです。
噴水がどの程度出ているかを判断すめためにコンピュータチャートがお役に立ちます。
もしもこんな詐欺師がいたら
少し弁舌に自信のある詐欺師がいたら、きっとこんな講演会を開催するでしょう。
まず集まった聴衆を2つの会場に分けます。
そしていま急騰している1つの銘柄を例に挙げ、1つの会場でその株の今後を「下げる」と予測します。
そして、もう一つの会場ではその株の今後を「上がる」と予測します。
話を聞いて帰った人の半分は「あいつは詐欺師だ」といい、もう半分は「よく的中する先生だ」と考えるでしょう。
後日、偶然当たった聴衆を再度集めて2つの会場に分け、同じことを繰り返します。
2度の的中をする話を聞かされた人は、当初の数の四分の一になりますが、たぶんこの詐欺師を先生と思いこむはずです。
一度信用すると人は3度だまされると言われています。
投資をしろ、顧問料を払えといった邪悪な指導を聞き入れてしまうことでしょう。
世の中にはこの手の話が多く存在します。
もう少し計画的なところでは、中国での投資話をベースに資金を集めるというものもありました。
中国のある都市に大きなオフィスビルを建設し、その分譲や賃貸で収益をあげるという構想です。
実際に東京の地価に慣らされている人たちに大きなオフィスビルの計画は、多少割り引いても魅力的と感じるでしょう。
地価が安い分、資産価値が東京とは比べものにならないぐらい低いことを無視しています。
やはりねずみ講と同じく、資金の額がある大きさになると、自ら崩壊を始めます。
その過程で資金の一部は浪費されたり、不明朗な部分へ流れます。
お金儲けという言葉は不思議なものです。
低金利の時代とはいえ、???済ではいとも簡単に億単位の資金を集め、破綻が明らかなのに「元金保証」「高金利」を訴える。
しかし一寸の虫にも五分の魂で、理論的裏付けが無いわけじゃない様です。
海外の高金利の債権投資をして利益をあげるという論理は、円安が進んだ期間では正しいものです。
100万円を海外に投資して、1ドル=100円ならば1万ドルの債権を購入する。
年5%の金利を取得して、1ドル=120円の時期に売却すれば、確かに元金は120万円となり金利分も確保できるはずです。
もともとこの方法もリスクが大きく、資金を集める事に主眼が置かれているのですから、お金を預けた投資家は、報われることなく財産を失います。
これらに投資をする場合、特にどん欲なことを望んでいないのに、うまくいかないのはなぜでしょう。
1990年頃の株式市場を考えてみましょう。
例えば1500円の天井圏で株式に1000株の投資をしたとしましょう。
株価が1000円になれば、150万円の資金をつぎ込んだ資産が100万円の価値に下落したことになります。
誰かが得をしたかと言えば、1500円で売った人が結果として儲かっています。
しかしずっと以前に500円で買った人がいれば、その投資家は一時100万円儲かっていたのにいまは50万円しか儲かっていない状態となるのです。
さて一部の人が損をする状態が、右肩上がりの積極的な状況といえます。
銀行などが多くの「含み資産」を持っていた時代です。
ところが株価の停滞や下落が長く続くと蓄積されていく売買の中で、ほとんどすべての投資家の買った値段と現在価格との差がなくなる或いは現在価値の方が安くなると、すべての人が損をする事となります。
この時点で株式投資の原点に戻ったといえます。
つまりこの過程では、それまでの様に成長や時間経過が必ずすべての投資家に利益を与えてはくれないのです。
とすると詐欺と株式市場での投資が同じ様に見えますがどうでしょう?
株式投資と詐欺は決して一緒ではありません。
例としてこの株価が調整に入っていた時期の株式投資を検証してみましょう。
8751東京海上
1996年12月は下げの局面であり、不安が交錯する時期でもあります。
この時AIチャートはAIランキングなどを含めて、総合的な底値圏のデータを提供します。
株価は上がるから下がるという波動の中で、少しだけ投資効率の良いタイミングを作り、上がった株価はその企業に財務的なプラスと信用をもたらします。
どのくらい長期に持続して、成長を続けることができるかで、企業価値は決まりますが、成長を確実に続けることができたのは、ほんの僅かな企業で実際は、波打つ様な動きつまり「波動」を繰り返します。
本当に必要なのは「待つ余裕」
「余裕を持つには」
高速道路の清掃業務を行う部署があります。
止めることのできない道路で、中央分離帯の際にある「落下物」を拾う作業はとても危険を伴います。
作業車を道路の左側に停めて、人が走ってくる車の間隙をぬって中央に渡り、拾ってきますがここで一番重要なことがあるそうです。
それは「必ず車の流れが途切れること」を信じるという事だそうです。
つまり流れ続ける車を見れば、切れ目はやってこないないに思い、中途半端な車の途切れで飛びだして事故に合うというのです。
株式投資もまったく同じ事がいえます。
「上がる」株価を見れば、人は「上がり続けてしまう」と考えあわて、中途半端な位置での投資を行ってしまいます。
「下がる」と不安心理を増大させて投資に踏み切れず、次の上昇であわてるという構図です。
株式投資では、誰もいない安全な買い場を探す事が必要です。
そのためにはやはり自分の時計つまり「尺度」を持つ必要があります。
そうです、その尺度こそが株価分析システムりっちなかぶぬしfor Windowsなのです。
9735セコム
安定した株価の動きを続ける銘柄にセコムがあります。
もともと警備を主体とする企業で安定は企業命題の1つですが、株式投資では「成長性」や「夢」が必要となります。
たとえ優良株であっても、投資タイミングをつかまなければ、成果は得られません。
その判断の資料がAIチャートです。
97年の140台のAI値は、投資検討のポイントであり、その後の危険指数・安全指数の上昇は的確に売却検討を促しています。
株式市場の将来
月から唯一見える地球上の建造物は「万里の長城」だと言われています。
ただし、だから何よりすばらしいというのには異論があります。
歴史上の意味を否定するものではありませんが、国を守るためとはいえ長い城の建設には多大な苦労や働く者の悲劇が刻まれています。
私なら日本の高速道路の方が、その存在価値を明確に有用と宣言できます。
長さで言えば、万里に匹敵し夜間も飛行機からでも見ることが出来る光の帯は万人の生活を支えています。
建設したのは、正に株式会社です。
直接請け負ったのは別にしても、日本の経済活動が建設の環境と資金を生み出しています。
必要な土地には対価を払い、万人に公開されている公共資材としての高速道路は、たとえ月から見えないにしても有意義といえるのではないでしょうか。
人類の歴史の中で、株式会社は自由な経済活動を行うことで、国の根幹を担っています。
この自由を維持するために「倒産」の可能性も含めて、全ての権利を「株主」に託しています。
実際の機能は別にして、経営者の選択や全ての権限は「株主」に帰結します。
この株主になるための市場が株式市場であり、株価が形成されます。
株式会社の重要性と株主の意味を理解すれば、きっとあなたに投資成果をもたらしてくれるはずです。
パンドラの小箱
ギリシャ神話にいろいろな災いが詰め込まれた壺の話が出てきます。
全能の神ゼウスが人間に与えた試練ですが、好奇心に富む人間はその蓋をあけ、次々に飛び出す「絶望」「不幸」・・・あわてて蓋を閉めようとしたとき、私も出して下さいと「希望」が囁いたそうです。
株式投資にはいろいろなリスクがあります。
しかし世界で経済活動を行う企業の所有権である株式を無視した、資産運用はありえません。
仮に個人が株式投資を断念しても、資金は銀行や生命保険を経由して、株式市場へ環流します。
つまり株式市場のリスクを完全に避けてしまえば、得られる利益は最小値に安定してしまうのです。
株式投資がパンドラの小箱なら、多少のリスクをもっても最後の「利益」まで自分で確保できなければ意味がありません。
さらに「自分の時計」を持たない投資家は、この小箱を開けるべきではなく、その資格もありません。
自分の時計を錆びつかせないようにするには、コンピューターチャート分析が不可欠です。
そして決して株式市場を投機の場所と考えてはならないのです。